人吉市の行財政改革
人吉市行財政経営指針を策定しました
趣旨
この指針は、本市がこれまで取り組んできた第1次から第5次までの「人吉市行政改革大綱」及び「人吉市行財政健全化計画」などの取組と、昨今の本市を取り巻く現状と課題、「人吉市総合計画策定に関する市民意識調査」や行財政改革課が令和5年7月に行った職員アンケート等の考慮すべき調査結果等を踏まえた上で策定しました。
基本的な考え方
限られた資源を最大限に活用し行政・公共サービスを確保する「経営」の視点を持ち、厳しい財政状況においても、本市の魅力向上のため、行政のあり方を変革していくことで行政・公共サービスの質の向上と共に経費削減に取り組むことが重要です。
今後の行財政改革は、市民及び職員の幸福度と満足度の向上に取り組むことを念頭に、以下の「めざす姿」と「取組の柱」を定め、行財政経営の転換を図り、そのための取組を段階的に進めていくこととします。
めざす姿
「限られた多様な地域資源を有効に活かし、利用者起点の良質な行政・公共サービスが、持続可能な形で提供されている人吉市役所」
取組の柱
- 利用者起点の行政・公共サービス
- 多様な市民ニーズや社会情勢に対応するため、利用者起点を基本に、市民の利便性や行政・公共サービスの質の向上につなげます。
- ニーズに合わせたサービスの提供で、行政の効率性の向上、コスト削減や業務効率化の実現を図ります。
- 取組を効果的に進めるために、デジタル技術や民間活力を十分に活用していきます。
- 信頼される行財政経営
- 人口減少社会や変化の激しい社会においても、行政サービスを安定的・持続的・効率効果的に提供していきます。
- 行政サービスを提供する側の職員の業務効率化、安心して業務を執行できる体制づくり、働きやすい職場環境づくりに取り組みます。
- 持続可能な行財政経営
- 業務のやり方の変革や組織体制の見直しなどの「仕組み」を変える取組と連動した経費削減に取り組みます。
- 財政上懸念すべき公共施設の更新については、組織内連携や、施設のあり方を「量」から「質」へ転換し、民間活力の活用を視野に確実に推進します。
重点的取組
- 自治体DXの推進
- 利用者起点で利便性の高い行政サービスの提供
【主な取組内容】
利用者起点の窓口改革 / マイナンバーカードの利用促進 / 電話問合せの負担軽減 / 定期的な市民アンケートなどの実施 - 職員が職員の担うべき業務に注力できる体制構築のための業務改革
【主な取組内容】
押印見直しの徹底 / 業務プロセスの見直し / AI等の利用促進による業務効率化の取組
- 利用者起点で利便性の高い行政サービスの提供
- 働き方改革と人材育成
【主な取組内容】
「人吉市人財育成基本方針」の見直し / 柔軟な働き方と働きやすい職場環境の推進 / 定期的な職員アンケートや意見交換の実施 / 各種職員研修の充実 - 公共施設マネジメントと公民連携の推進
【主な取組内容】
公共施設(ハコモノ)の包括施設管理業務委託の検討と実施 / 公民連携の推進 / 利用しやすい交流等の場としての市役所の運用 - 業務執行体制の強化
【主な取組内容】
内部共通事務の合理化 / 各種マニュアルや事務手順書等の充実と整備及び共有
推進期間
第6次人吉市総合計画との整合性を図るため、令和6年度(2024年度)から令和9年度(2027年度)までの4年間とします。
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これまでの行財政改革
本市は「第1次行政改革大綱」から「第5次行政改革大綱」、「人吉市行財政健全化計画」まで様々な行財政改革に取り組んできました。
近年の取組は下のとおりです。
「第3次行政改革大綱」(平成15年度から平成19年度)
行政の「運営」から民間の「経営」理念のもと、「市民主義」の行政経営改革と変化に対応できる新行政システムの構築を目標に全庁的に改革改善に取り組みました。
「第4次行政改革大綱」(平成21年度から平成23年度)
厳しい財政状況の中、自立と主体性のある自治体として、行政を「経営」する視点に立ち、多様化する行政ニーズに対応し、「市民のために」「挑戦と総力の結集」「スピードある改革」を戦略理念に定め改革に取り組みました。
「第5次行政改革大綱」(平成25年度から平成31年度)
地域経営の軸ととなる第5次人吉市総合計画との整合性を保ち、「市民と行政との協働」「感動される市政の推進」「持続可能な財政運営」を重点項目として行政経営の改革に取り組みました。
しかし、平成28年4月の熊本地震による市庁舎機能の分散という大きな状況の変化があり、新市庁舎建設推進に向け、行政改革は財政課所掌事務として位置づけられ、新庁舎供用開始までは新たな取組は休止することとなりました。
「人吉市行財政健全化計画」(令和2年度から令和5年度)
新庁舎建設という一大プロジェクトを控え、令和2年度末に枯渇する恐れのあった財政調整基金の状況を危惧し、「自主財源の安定的確保と基金に頼らない予算編成を目指して」をスローガンに策定されました。
主に財政的な視点から事務事業の見直しを行い、経費削減に取り組み、各種市民サービスの見直しや縮減、「人件費の圧縮」として職員給与の削減等を行いました。しかし、新型コロナウイルス感染症対応や本市を襲った令和2年7月豪雨災害の復旧・復興対応により計画を予定どおり推進することが難しい状況に陥りました。