人吉球磨10市町村では、文化庁が公募した「日本遺産」の認定に向けて申請を行っておりましたが、「日本遺産審査委員会」による審査を経て、4月24日の文化庁発表により、正式に、人吉球磨のストーリーが日本遺産に認定されました。
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青井阿蘇神社(人吉市)の秋の例大祭「おくんち祭」での臼太鼓踊り奉納
タイトル
相良700年が生んだ保守と進取の文化 ~日本でもっとも豊かな隠れ里─人吉球磨~
ストーリーの概要
人吉球磨の領主相良氏は、急峻な九州山地に囲まれた地の利を生かして外敵の侵入を拒み、日本史上稀な「相良700年」と称される長きにわたる統治を行った。その中で領主から民衆までが一体となったまちづくりの精神が形成され、社寺や仏像群、神楽等をともに信仰し、楽しみ、守る文化が育まれた。同時に進取の精神をもってしたたかに外来の文化を吸収し、独自の食文化や遊戯、交通網が整えられた。保守と進取、双方の精神から昇華された文化の証が集中して現存している地域は他になく、日本文化の縮図を今に見ることができる地域であり、司馬遼太郎はこの地を「日本でもっとも豊かな隠れ里」と記している。
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城泉寺阿弥陀堂(湯前町)の本尊、阿弥陀三尊像
日本遺産とは
平成27年度より文化庁が創設した「日本遺産魅力発信推進事業」のことで、地域に点在する有形・無形の文化財をパッケージ化し、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」に認定するもの。歴史的魅力にあふれた文化財群を地域主体で総合的に整備・活用し、世界に戦略的に発信することにより、地域の活性化を図ります。
今回、日本遺産に認定された人吉球磨のストーリーは、41の有形・無形文化財で構成されています。
今後、人吉球磨10市町村では、上記ストーリーとそれを構成する文化財を中心にして、人吉球磨に広がる歴史文化の魅力を発信する取り組みを順次展開していく予定です。今後の「日本遺産」に関する取り組みにご期待ください。