人吉市におきましては、平成21年8月の消費生活センター開設以来10年以上にわたり、市民の皆様からのさまざまな消費生活相談を受けております。また、平成26年度からは、球磨郡9町村と締結した「消費生活相談業務に関する協定」に基づき、9町村の住民の方々の相談もお受けし、その解決に向けた助言、事業者とのあっせんなどを行っております。
近年の高齢化や情報化、グローバル化などの社会経済情勢の著しい変化は、消費者トラブルに大きな影響を及ぼしており、相談内容は複雑多岐にわたり、悪質商法の手口も巧妙化しております。また、本市においては、令和2年7月豪雨災害の被災者がリフォーム業者との契約トラブルに巻き込まれるといった事例も発生しております。さらに、令和4年度からは成年年齢が引き下げられ、18歳、19歳も親の同意なしに契約を結ぶことが可能となったため、若年層の消費者トラブル増加も懸念されます。
本市では、引き続き法律関係者や各機関との連携により、老若男女問わず被災者を含めた消費生活相談の解決を図るとともに、平成30年度に策定した「人吉市消費者教育推進計画」を基にして、学校教育と連携した若年層への消費者教育、また、住民に対する出前講座の実施や広報活動を通じて最新の情報を提供するなど、消費者被害の未然防止や啓発に努めます。
今後も、人吉市消費生活センターを人吉球磨地域の消費生活相談の中核拠点として、「安全・安心で豊かな消費者市民社会の実現」に向けた消費者行政のさらなる充実を図ってまいります。
人吉市長 松岡 隼人