成長が盛んな小学校・中学校の時期は、特にバランスの取れた食生活が大切です。「食教育」の一環として、学校給食で得られた知識や経験は将来子どもたちが食生活を形成していくうえでの基礎の1つとなります。
ここでは、学校給食の目標や栄養価、学校給食センターでの取り組みなどを紹介します。
学校給食の目標
- 適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
- 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、および望ましい食習慣を養うこと。
- 学校生活を豊かにし、明るい社交性および協同の精神を養うこと。
- 食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
- 食生活が食にかかわる人々のさまざまな活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
- 我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
- 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
学校給食の内容
主食
ごはん
給食で使用する米は地元産の「ヒノヒカリ」です。米に麦やキビを加えたり、炊き込み御飯などの変わりごはんもあります。
週に3回から4回実施しています。
パン
国産小麦粉100%のパンを使用しています。菊池市七城町のパン工場で作られており、規格は県内で統一してあり、種類は16種類ほどあります。
週に1回から2回実施しています。(火曜日・木曜日)
副食
煮物、揚げ物、炒め物、蒸し物、和え物、汁物などバラエティに富んだ料理があります。
昆布・かつお・煮干などでだしをとり、薄味でもおいしく食べられるように工夫し、行事食(端午の節句やおくんち祭りなど)、郷土料理、世界の料理、季節感のある料理を取り入れています。
また、家庭で摂れていない食品、摂りにくい食品(魚・豆類・野菜)を多く取り入れたおかずを出すようにしています。
牛乳
成長している子どもたちに必要なカルシウム、ビタミン、たんぱく質などを補うために、毎日ついています。
学校給食では加工乳ではなく普通牛乳200ccを出しています。
成分 | 容量 | 卵との栄養価比較 |
---|---|---|
たんぱく質 | 6.8グラム | 卵1個分 |
カルシウム | 227ミリグラム | 卵9個分 |
ビタミンB1 | 0.31グラム | 卵1.5個分 |
学校給食の栄養価
児童又は生徒一人一回当たりの学校給食摂取基準
区分 | 小学校(低学年) | 小学校(中学年) | 小学校(高学年) | 中学校 |
---|---|---|---|---|
エネルギー(キロカロリー) | 530 | 650 | 780 | 830 |
たんぱく質(%) |
学校給食による摂取エネルギー全体の13%から20% |
|||
脂質(%) | 学校給食による摂取エネルギー全体の20%から30% | |||
ナトリウム(食塩相当量)(グラム) | 2未満 | 2未満 | 2.5未満 | 2.5未満 |
カルシウム(ミリグラム) | 290 | 350 | 360 | 450 |
マグネシウム(ミリグラム) | 40 | 50 | 70 | 120 |
鉄(ミリグラム) | 2.5 | 3 | 4 | 4 |
ビタミンA(マイクログラムRAE) | 170 | 200 | 240 | 300 |
ビタミンB1(ミリグラム) | 0.3 | 0.4 | 0.5 | 0.5 |
ビタミンB2(ミリグラム) | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 |
ビタミンC(ミリグラム) | 20 | 20 | 25 | 30 |
食物繊維(グラム) | 4以上 | 5以上 | 5以上 | 6.5以上 |
この表のほか、次に挙げるものについても示した摂取について配慮することとなっています。
区分 | 小学校(低学年) | 小学校(中学年) | 小学校(高学年) | 中学校 |
---|---|---|---|---|
亜鉛(ミリグラム) | 2 | 2 | 2 | 3 |
学校給食センターの取り組み
地場産物の利用
米は1年を通じて人吉産米を使用しています。
野菜は玉ねぎ、じゃがいもは期間を定めて納入してもらい、もやし、きくらげは年間を通して地元産を使用しています。これらの野菜は、栽培している農家の人たちやその野菜を紹介したポスターを各学校に配布したり、給食センターに展示しています。
また、この他にも豆腐や味噌、しょうゆなども地元のものを使用しています。
試食会の実施
市内の小・中学校の保護者を対象とした「親子給食」やPTA役員など学校関係者の試食会を実施しています。試食会では、学校給食の目標、栄養指導、地元産品の利用についての話などをしています。
献立表・給食だよりの配付
「献立表」と「給食だより」を作成し、学校給食についての説明や給食以外の食生活などについて掲載しています。
給食センターの見学
給食センターでは施設見学を受け入れています。今までに他自治体の調理員や栄養士等の研修としての見学や、給食委員をしている児童・生徒の見学などもありました。一般の方の見学も受け入れています。
ふるさとくまさんデー
毎月19日の食育の日には熊本県でとれる旬の特産物を使った献立や郷土料理を実施しています。
食物アレルギー対応
平成27年度から、牛乳、乳製品、卵、エビ、カニ、平成28年度からタコ、イカを追加し、現在7品目について、食物アレルギー対応を行っています。
【対応方法】
給食に上記7品目が食材として使用されている場合は、これらを完全に除去したもの(除去食)を別に調理し提供します。また、除去ができない副食(ヨーグルト、オムレツなど)は、代替食を用意します。調理道具や食器は、アレルギー対応専用の物を使用しています。
【対応決定までの流れ】
- 希望家庭との面談
- 医療機関受診
- 申請
- 決定
- 献立確認
-
実施
【 その他 】
-
食物アレルギー対応食材7品目が微量混入する際にも医師から完全除去を指示されている場合は、家庭から弁当を持参していただきます。
(例)コンタミネーション(海苔、ちりめんなどに微量のエビ、カニ等が混入)の場合。
油(揚げ物)、食器、調理器具の共用ができない場合。 - 食物アレルギーや病気等の理由により「牛乳」や「パン」が摂れない場合は、それぞれ停止することが可能です。(別途、申請が必要です。)ただし、牛乳またはパンの代替として、家庭からお茶やご飯を持参していただきます。
- ハム、ベーコン、ウインナーは、卵不使用の製品を使用しています。
- マヨネーズは、卵不使用の製品を使用しています。
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