○人吉市議会ハラスメント防止条例

令和5年3月22日

条例第21号

ハラスメントは、他者に対して行われる極めて悪辣な行為であり、ハラスメントに対する無自覚により相手に被害を与える人権侵害である。

人吉市議会はそのことを明確にし、また、議員及び職員の能力を十分に発揮させることができる環境を確保するとともに、ハラスメントの防止及び根絶に努めることを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、議員間のハラスメント及び議員から職員に対するハラスメントを防止、根絶するために必要な事項を定め、並びにハラスメントの被害者に配慮することにより、全ての議員及び職員が個人としての尊厳を尊重され、良好な市議会議員が活動できる環境及び職員の職場環境を確立することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職の職員並びに同条第3項第1号から第2号まで、第3号、第3号の2及び第5号に規定する特別職の職員(市議会議員を除く。)をいう。

(2) ハラスメント パワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメント、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント、その他の誹謗、中傷、風評等により相手方に対して人権を侵害し、又は不快にさせる行為をいう。

(議員の責務)

第3条 議員は、ハラスメントが個人の尊厳を不当に傷つけ、人権侵害に当たることを認識し、ハラスメントの防止に努めなければならない。

2 議員は、他の議員及び職員を個人として尊重することを通じて、誠実かつ公正な職務の遂行に努めなければならない。

3 議員は、ハラスメントを行った事実があると疑われたときは、自ら誠実な態度をもって事実を明らかにし、説明責任を果たさなければならない。

4 議員は、議員間又は議員から職員に対するハラスメントに当たる言動があると認められる事態に遭遇したときは、当該ハラスメントを行った議員に対し厳に慎むべきを指摘し、解決するよう努めなければならない。

(議長及び副議長の職務)

第4条 議長及び副議長は、議員間のハラスメントについて議員又は議員の関係者から苦情の申出があった場合には当該苦情に係る事実関係を調査し、必要に応じて今後のハラスメント防止のための措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

2 議長及び副議長は、議員から職員に対するハラスメントが疑われる事象が発生したとの通知を市長から受けたときは、当該事象に係る事実関係を調査し、必要に応じて今後のハラスメント防止のための措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

3 議長及び副議長は、第1項又は前項で規定する事実関係の調査又は講じる措置について、必要に応じて各会派の代表者等を招集し、意見を聴取することができる。

4 議長及び副議長は、第1項又は第2項で調査した結果及び講じた措置をハラスメントによる被害者及び関係者のプライバシー保護に十分配慮したうえで、全員協議会等で報告することができる。

(議長又は副議長の職務代行)

第5条 議長又は副議長が前条に定める調査の対象となったとき又は事故があるときは、年長の議員から順に同条に定める議長及び副議長の職務を行う。

(研修等)

第6条 議長は、ハラスメントの防止等を図るため、議員に対し必要な研修を実施しなければならない。

(プライバシーの保護)

第7条 議員はハラスメントによる被害者及び関係者のプライバシー保護に十分配慮し、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(継続的な検討)

第8条 議会は、この条例の定める事項について、必要があると認めたときは、速やかに所要の措置を講ずるものとする。

(委任)

第9条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

人吉市議会ハラスメント防止条例

令和5年3月22日 条例第21号

(令和5年3月22日施行)