○人吉市文化財保護条例

昭和53年3月20日

条例第10号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び熊本県文化財保護条例(昭和51年熊本県条例第48号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で市の区域内に存するもののうち、市にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。

(平17条例17・一部改正)

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 人吉市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 市指定有形文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、市の区域内に存する有形文化財(法第2条第1項第1号で規定する有形文化財をいい、法第27条第1項の規定による重要文化財又は県条例第4条第1項の規定による熊本県指定重要文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち、市にとって重要なものを人吉市指定有形文化財(以下「市指定有形文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

3 第1項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ、人吉市文化財保護委員会(以下「保護委員会」という。)に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、教育委員会がその旨を告示するとともに、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行うものとする。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該市指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 市指定有形文化財が市指定有形文化財としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除には、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 市指定有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財又は県条例第4条第1項の規定による熊本県指定重要文化財の指定があったときは、当該市指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

5 第2項で準用する前条第4項の規定による市指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき及び同条の規定による通知を受けたときは、速やかに、市指定有形文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第6条 市指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、市指定有形文化財を管理しなければならない。

2 市指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。

4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者の変更等)

第7条 市指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 市指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失・き損等)

第8条 市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更)

第9条 市指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りる。

(管理又は修理の補助)

第10条 市指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特殊の事情がある場合には、市は、当該所有者に対し、その経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助をする場合には、教育委員会は、当該補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督をすることができる。

(管理又は修理に関する勧告)

第11条 市指定有形文化財の管理が適当でないため当該市指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、防火施設、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 市指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

(修理の届出等)

第12条 市指定有形文化財を修理しようとするときは、所有者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第10条第1項の規定による補助を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 市指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。

(現状変更等の制限)

第13条 市指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は、第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

4 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、当該許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(公開)

第14条 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者に対し、6月以内の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため当該市指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者に対し、3月以内の期間を限って、当該市指定有形文化財の公開を勧告することができる。

3 第1項の規定による出品のために要する費用は市の負担とし、前項の規定による公開のために要する費用は予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。

4 市は、第1項の規定により出品した所有者に対し、給与金を支給することができる。

5 教育委員会は、第1項の規定により市指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該市指定有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。

6 教育委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る市指定有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、特に必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督をすることができる。

(公開による所在変更)

第15条 前条第1項及び第2項の規定による公開の場合を除き、市指定有形文化財の所在を変更して公衆の観覧に供するため第9条の規定による届出があった場合には、前条第6項の規定を準用する。

(報告)

第16条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該市指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第17条 市指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市指定有形文化財に関しこの条例に基づいて行う教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者は、当該指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引渡さなければならない。

第3章 市指定無形文化財

(指定)

第18条 教育委員会は、市の区域内に存する無形文化財(法第2条第1項第2号で規定する無形文化財をいい、法第71条第1項の規定により指定された重要無形文化財又は県条例第20条第1項の規定により指定された熊本県指定重要無形文化財に指定されたものを除く。)のうち、市にとって重要なものを人吉市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をするに当たっては、教育委員会は、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ、保護委員会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定又は第2項の規定による認定は、教育委員会がその旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に通知して行うものとする。

5 教育委員会は、第2項の規定による認定をした後においても、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

6 前項の規定による追加認定には、第3項及び第4項の規定を準用する。

(平17条例17・一部改正)

(解除)

第19条 市指定無形文化財が市指定無形文化財としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除には、前条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による指定の解除又は第2項の規定による認定の解除は、教育委員会がその旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知して行うものとする。

5 市指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財又は県条例第20条第1項の規定による熊本県指定重要無形文化財の指定があったときは、当該市指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。

7 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この項及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合においては、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(平17条例17・一部改正)

(保持者の氏名変更等の届出)

第20条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則に定める理由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。

(保存)

第21条 教育委員会は市指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他の保存そのため適当な措置を執ることができるものとし、市は保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助をする場合には、教育委員会は、必要な条件を付することができる。

(保存に関する助言又は勧告)

第22条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体その他保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(公開)

第23条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し市指定無形文化財の公開を、市指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による市指定無形文化財の公開には、第14条第3項及び第6項の規定を準用する。

3 市は、第1項の規定による市指定無形文化財の記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

4 前項の規定により補助をする場合には、教育委員会は、必要な条件を付することができる。

第4章 市指定有形民俗文化財及び市指定無形民俗文化財

(指定)

第24条 教育委員会は、市の区域内に存する有形の民俗文化財(法第2条第1項第3号で規定する民俗文化財のうち有形のものをいい、法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財又は県条例第27条第1項の規定による熊本県指定重要有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを人吉市指定有形民俗文化財(以下「市指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(法第2条第1項第3号で規定する民俗文化財のうち無形のものをいい、法第78条第1項の規定による重要無形民俗文化財又は県条例第27条第1項の規定による熊本県指定重要無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを人吉市指定無形民俗文化財(以下「市指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定には、第4条第2項から第6項までの規定を準用する。

3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定には、第18条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定は、教育委員会がその旨を告示して行うものとする。

(平17条例17・一部改正)

(解除)

第25条 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財が市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定の解除には、第5条第2項及び第5項の規定を準用する。

3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除には、第19条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除は、教育委員会がその旨を告示して行うものとする。

5 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財について法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財又は県条例第27条第1項の規定による熊本県指定重要有形民俗文化財若しくは熊本県指定重要無形民俗文化財の指定があったときは、当該市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定の解除には、第5条第4項及び第5項の規定を準用する。

7 第5項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(平17条例17・一部改正)

(市指定有形民俗文化財の保護)

第26条 市指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 教育委員会は、市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届け出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

(市指定有形民俗文化財に関する準用規定)

第27条 第6条から第11条まで及び第14条から第17条までの規定は、市指定有形民俗文化財について準用する。

(市指定無形民俗文化財の保存)

第28条 教育委員会は市指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市はその保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助をする場合には、教育委員会は、必要な条件を付することができる。

(市指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)

第29条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(市指定無形民俗文化財の記録の公開)

第30条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による公開には、第23条第3項及び第4項の規定を準用する。

(市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)

第31条 教育委員会は市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、市は適当な者に対し、当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定による選択には、第18条第3項の規定を準用する。

3 第1項の規定により補助をする場合には、教育委員会は、必要な条件を付することができる。

第5章 市指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第32条 教育委員会は、市の区域内に存する記念物(法第2条第1項第4号で規定する記念物をいい、法第109条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物又は県条例第35条第1項の規定による熊本県指定史跡、熊本県指定名勝若しくは熊本県指定天然記念物に指定されたものを除く。)のうち、市にとって重要なものを人吉市指定史跡、人吉市指定名勝又は人吉市指定天然記念物(以下「市指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定には、第4条第2項から第5項までの規定を準用する。

(平17条例17・一部改正)

(解除)

第33条 市指定史跡名勝天然記念物が市指定史跡名勝天然記念物としての価値を失なった場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 市指定史跡名勝天然記念物について、法第109条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物又は県条例第35条第1項の規定による熊本県指定史跡、熊本県指定名勝若しくは熊本県指定天然記念物の指定があったときは、当該市指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除には第5条第2項の規定を、前項の規定による指定の解除には同条第4項の規定を準用する。

(平17条例17・一部改正)

(標識等の設置)

第34条 市指定史跡名勝天然記念物の所有者は、教育委員会規則の定める基準により、市指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。

(土地の所在等の異動の届出)

第35条 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者(第37条で準用する第6条第2項の規定により選任した管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(現状変更等の制限)

第36条 市指定史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については維持の措置又は非常災害のため必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 第1項の規定による許可を与える場合には、第13条第3項及び第4項の規定を準用する。

(準用規定)

第37条 第6条から第8条まで、第10条から第12条まで、第16条及び第17条第1項の規定は、市指定史跡名勝天然記念物について準用する。

第6章 市選定保存技術

(選定等)

第38条 教育委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のため欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定による選定保存技術又は県条例第41条第1項の規定による熊本県選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち、市にとって保存の措置を講ずる必要があるものを人吉市選定保存技術(以下「市選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による選定をするに当たっては、市選定保存技術の保持者又は保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 第1項の市選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第1項の規定による選定及び前2項の規定による認定には、第18条第3項から第6項までの規定を準用する。

(平17条例17・一部改正)

(解除)

第39条 教育委員会は、市選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊の理由があるときは、その選定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保存団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の理由があるときは、保持者又は保存団体の認定を解除することができる。

3 第1項の規定による選定の解除又は前項の規定による認定の解除には、第19条第3項及び第4項の規定を準用する。

4 市選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術又は県条例第41条第1項の規定による熊本県選定保存技術の選定があったときは、当該市選定保存技術の選定は、解除されたものとする。

5 前項の場合には、第25条第6項の規定を準用する。

6 前条第2項の認定が保持者のみについてなされた場合にあってはそのすべてが死亡したとき、同項の認定が保存団体のみについてなされた場合にあってはそのすべてが解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)同項の認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあっては保持者のすべてが死亡し、かつ、保存団体のすべてが解散したときは、市選定保存技術の選定は、解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(平17条例17・一部改正)

(保持者の氏名変更等の届出)

第40条 保持者及び保存団体には、第20条の規定を準用する。この場合において、同条後段中「代表者」とあるのは「代表者又は管理人」と読み替えるものとする。

(保存)

第41条 教育委員会は市選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、市選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助をする場合には、教育委員会は、必要な条件を付することができる。

(保存に関する指導又は助言)

第42条 教育委員会は、市選定保存技術の保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。

第7章 補則

(委任)

第43条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

第8章 罰則

(刑罰)

第44条 市指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。

第45条 市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。

第46条 第13条又は第36条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、市指定有形文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、1万円以下の罰金又は科料に処する。

第47条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前3条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、昭和53年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に改正前の人吉市文化財保護条例(以下「旧条例」という。)の規定に基づき指定されている人吉市指定有形文化財、人吉市指定史跡、人吉市指定名勝又は人吉市指定天然記念物は、それぞれ、この条例の相当規定に基づき指定された人吉市指定有形文化財、人吉市指定史跡、人吉市指定名勝又は人吉市指定天然記念物とみなす。

3 この条例の施行の際、現に旧条例の規定に基づき交付されている人吉市指定有形文化財の指定書は、この条例の相当規定に基づき交付された人吉市指定有形文化財の指定書とみなす。

4 この条例の施行の際、現に旧条例の規定に基づき選任されている管理責任者は、この条例の相当規定に基づき選任されたものとする。

5 この条例の施行の際、現に旧条例の規定に基づき届出をしているものは、この条例の相当規定に基づき届出をしたものとみなす。

6 この条例の施行の際、現に旧条例の規定に基づき市がした許可その他の処分及び行為は、この条例の相当規定に基づいてした許可その他の処分及び行為とみなす。

7 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成17年条例第17号)

この条例は、公布の日から施行する。

人吉市文化財保護条例

昭和53年3月20日 条例第10号

(平成17年6月28日施行)

体系情報
第7編 育/第6章 文化財
沿革情報
昭和53年3月20日 条例第10号
平成17年6月28日 条例第17号