毎年厳しい暑さが続き、熱中症が多く発生しています。
今年の夏は全国的に気温が高いと予想されており、熱中症事故を防止するために、スポーツ活動においても適切に対応することが重要です。
スポーツ活動中の熱中症予防5ヶ条
公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」より
暑いとき、無理な運動は事故のもと
気温が高いときほど、また同じ気温でも湿度が高いときほど、熱中症の危険性は高くなります。また、運動強度が高いほど熱の産生が多くなり、やはり熱中症の危険性も高くなります。暑いときに無理な運動をしても効果はあがりません。環境条件に応じて運動強度を調節し、適宜休憩をとり、適切な水分補給を心掛けましょう。
急な暑さに要注意
熱中症事故は、急に暑くなったときに多く発生しています。夏の初めや合宿の初日、あるいは夏以外でも急に気温が高くなったような場合に熱中症が起こりやすくなります。急に暑くなったら、軽い運動にとどめ、暑さに慣れるまでの数日間は軽い短時間の運動から徐々に運動強度や運動量を増やしていくようにしましょう。
失われる水と塩分を取り戻そう
暑いときには、こまめに水分を補給しましょう。汗からは水分と同時に塩分も失われます。スポーツドリンクなどを利用して、0.1%から0.2%程度の塩分も補給するとよいでしょう。
水分補給量の目安として、運動による体重減少が2%を超えないように補給します。運動前後に体重を測ることで、失われた水分量を知ることができます。運動の前後に、また毎朝起床時に体重を測る習慣を身につけ、体調管理に役立てることが勧められます。
薄着スタイルでさわやかに
皮膚からの熱の出入りには衣服が影響します。暑いときには軽装にし、素材も吸湿性や通気性のよいものにしましょう。屋外で、直射日光がある場合には帽子を着用するとよいでしょう。防具をつけるスポーツでは、休憩中に衣服をゆるめ、できるだけ熱を逃がしましょう。
体調不良は事故のもと
体調が悪いと体温調節能力も低下し、熱中症につながります。疲労、睡眠不足、発熱、風邪、下痢など、体調の悪いときには無理に運動をしないことです。また、体力の低い人、肥満の人、暑さに慣れていない人、熱中症を起こしたことがある人などは暑さに弱いので注意が必要です。学校で起きた熱中症死亡事故の7割は肥満の人に起きており、肥満の人は特に注意しなければなりません。
熱中症予防のための運動指針
公益財団法人日本スポーツ協会「ホームページ」より
この指針は、熱中症予防5ヶ条のポイントを理解したうえで、環境温度に応じてどのように運動したらよいかの目安を示したものです。
気温が35度を超える時は、「運動は原則中止」です。
気温が35度を超えない場合も、活動前に適切な水分補給を行うとともに、必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整え、活動中や終了後にも適宜補給を行うこと等の適切な措置を講じてください。
熱中症を予防し、スポーツ・運動を安全に楽しみましょう。
応急処置
公益財団法人日本スポーツ協会「ホームページ」より
暑い時期の運動中に熱中症が疑われるような症状が見られた場合、まず、重症な病型である熱射病かどうかを判断する必要があります。
熱射病の特徴は高体温(直腸温度40度以上)と意識障害であり、応答が鈍い、言動がおかしいなど少しでも意識障害がみられる場合には熱射病を疑い、救急車を要請し、涼しいところに運び、速やかに身体冷却を行います。
意識が正常な場合には涼しい場所に移し、衣服をゆるめて寝かせ、スポーツドリンクなどで水分と塩分の補給を行います。また、うちわなどで扇ぐのもよいでしょう。吐き気などで水分が補給できない場合には、医療機関へ搬送し、点滴などの治療が必要です。
大量に汗をかいたにもかかわらす、水だけしか補給していない状況で、熱けいれんが疑われる場合には、スポーツドリンクに塩を足したものや、生理食塩水(0.9%食塩水)など濃い目の食塩水で水分と塩分を補給します。
このような処置をしても症状が改善しない場合には、医療機関に搬送します。症状が改善した場合は少なくとも翌日までは経過観察が必要です。
熱中症予防サイト(環境省ホームページ)
熱中症予防に関する啓発サイト
公益財団法人日本スポーツ協会ホームページ(熱中症予防に関する啓発教材)(外部リンク)
気象庁ホームページ「熱中症警戒アラート発表時の予防行動」(外部リンク)