○人吉市放置自動車の防止及び処理に関する条例
平成17年12月27日
条例第28号
(目的)
第1条 この条例は、放置自動車の防止及び適正な処理に関し必要な事項を定め、公共の場所の放置自動車により生ずる支障を速やかに除去することにより、市民の安全で快適な生活環境の保全と、地域の美観を維持し、良好な都市景観の形成を図ることを目的とする。
(1) 自動車 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車(人吉市放置自転車等対策条例(平成15年人吉市条例第12号)第2条第1号に定める原動機付自転車を除く。)をいう。
(2) 放置 自動車が正当な権原に基づき置くことを認められた場所以外の土地に相当の期間にわたり置かれていることをいう(道路交通法(昭和35年法律第105号)第51条の4に規定する放置行為を除く。)。
(3) 放置自動車 放置されている自動車をいう。
(4) 公共の場所 市が管理する道路、公園、河川その他の公共の用又は公用に供する場所をいう。
(5) 事業者等 自動車の製造、輸入、販売、整備、解体等を業として行っている者及びそれらの者の団体をいう。
(6) 所有者等 自動車の所有権、使用権若しくは占有権を現に有する者又は最後に有した者及び自動車を放置した者又は放置させた者をいう。
(7) 廃棄物 放置自動車で、自動車としての本来の用に供することが困難な状態にあり、かつ、不要物と認められるものをいう。
(8) 処分等 廃棄物を撤去し、及び最終処分すること並びにこれらの処理を行うために必要な措置をいう。
(市の責務)
第3条 市は、この条例の目的を達成するため、放置自動車の防止及び適正な処理に関する必要な施策の実施に努めなければならない。
(事業者等の責務)
第4条 事業者等は、放置自動車の防止のため、自動車の回収その他適切な措置を講ずるよう努めるとともに、市が放置自動車防止のため実施する施策に協力しなければならない。
(市民等の責務)
第5条 市民及び市の区域内において自動車を所有し、占有し、又は使用する者は、市が放置自動車防止のため実施する施策に協力しなければならない。
(人吉市放置自動車廃棄物判定委員会)
第6条 放置自動車の防止対策、廃棄物の認定その他市長が必要と認める事項について、市長の諮問に応じ、調査、審査、判定等を行うため人吉市放置自動車廃棄物判定委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、委員10人以内をもって組織する。
3 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。
(1) 自動車について専門的知識を有する者
(2) 学識経験者
(3) 市職員
(4) 前3号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者
4 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 前各項に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、規則で定める。
(放置の禁止)
第7条 何人も、正当な理由なく、自動車を放置し、若しくは放置させ、又はこれらの行為をしようとする者に協力してはならない。
(通報等)
第8条 公共の場所において放置自動車とみられる自動車を発見した者は、市長にその旨を通報するよう努めなければならない。
2 市長は、前項の通報を受けた場合において必要があると認めるときは、関係機関にその内容を連絡する等適切な措置を講ずるものとする。
(調査)
第9条 市長は、前条第1項の通報があったときその他必要があると認めるときは、職員をして、当該自動車の状況、所有者等その他の事項を調査させることができる。
2 市長は、前項の規定による調査を実施するため必要があるときは、職員をして、自動車が放置されている土地周辺に立ち入らせ、当該自動車の調査をさせることができる。
3 前2項の規定により調査を実施する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、当該土地所有者等から要求があった場合は、これを提示しなければならない。
4 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(警告)
第10条 市長は、前条の規定による調査の結果、当該自動車が放置自動車と認められるときは、放置自動車の所有者等に適正な処置を促すため、当該放置自動車に警告書を貼り付けるものとする。
2 市長は、前項の規定により警告書を貼り付けた日から相当の期間を経過した後においても、放置自動車の撤去等の適正な処置がなされず、かつ、当該自動車が施錠され車外からの調査では所有者等が判明しないときは、職員をして、当該施錠を解除させ、その目的達成のために必要最小限度において車内等の調査をさせることができる。
(勧告)
第11条 市長は、第9条の規定による調査の結果、当該放置自動車の所有者等が判明したときは、当該所有者等に対し、期限を定めて、当該放置自動車を撤去するよう勧告することができる。
(命令)
第12条 市長は、前条の規定による勧告を受けた所有者等が、当該勧告がなされた日から起算して20日を経過した日までに当該勧告に従わないときは、当該所有者等に対し、期限を定めて、当該放置自動車を撤去するよう命令することができる。
(公表)
第13条 市長は、前条の規定による命令を受けた所有者等が、その命令に従わないときは、当該放置自動車の所有者等の氏名及び放置されている場所を公表することができる。
2 前項の規定による公表をしようとするときは、公表されるべき所有者等に、あらかじめ弁明の機会を付与しなければならない。
(移動及び保管の通知等)
第14条 市長は、次のいずれかに該当するときは、公共の場所における放置自動車を移動し、保管することができる。
(1) 所有者等が第12条の命令に従わないとき。
(2) 第9条の調査の結果、市民の安全で快適な生活環境の保全上、若しくは公共の場所における管理者の業務執行に支障を生じ、又は生ずるおそれがあるため、放置自動車の撤去が必要と判断したとき。
(3) 第10条の規定により警告書を貼り付けた日から起算して30日を経過しても当該放置自動車の所有者等が判明しなかったとき又は所有者等が判明したが住所、居所その他連絡先が不明で連絡が取れないとき。
2 市長は、前項第1号の規定により放置自動車を移動し、保管したときは、その所有者等に対し、当該放置自動車を移動し、保管した旨及び期限を定めて引き取りを促す内容を通知しなければならない。
(廃棄物の認定)
第15条 市長は、第9条に規定する調査を行った結果、次に掲げるいずれかに該当する場合は、委員会の判定を経ずに廃棄物として認定することができる。
(1) 自動車の所有者等を特定するものが失しており、所有者等が特定できないとき。
(2) 自動車の全部又は一部が、破損及び腐食等により、自動車としての本来の用に供することが困難な状態にあるとき。
2 市長は、前項の規定により廃棄物として認定できなかった場合、次のいずれかに該当するときは、委員会の判定を経て、当該放置自動車を廃棄物と認定することができる。
(3) 市長が、規則に定める廃棄物認定基準によって廃棄物として認定することが困難なとき。
3 市長は、前2項の規定により認定を行おうとするときは、あらかじめその旨を告示しなければならない。
3 市長は、前項の規定に基づき告示した日の翌日から起算して6月を経過しても、当該放置自動車の所有者等が引き取りに来ないとき若しくは連絡がないとき又は当該放置自動車の所有者等が確認できないときは、当該放置自動車は、市に帰属するものとし、廃棄物として処分等を行うことができる。
(指定再資源化機関への引渡し等)
第17条 市長は、前条の規定に基づき放置自動車を廃棄物として処分等を行った場合において、必要と認めるときは、使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)第106条第4号及び第5号の規定により、指定再資源化機関に対し資金の出えんその他の協力を求め、及び処分等を依頼することができる。
(処分等の報告)
第18条 第16条第4項の規定により処分等を依頼された業者は、その実施内容について、市長に報告しなければならない。
(費用の請求)
第19条 市長は、第16条の規定により処分等を行ったときは、当該放置自動車の所有者等に対し、当該処分に要した費用並びに移動及び保管に要した費用を請求することができる。
2 市長は、移動し、保管している放置自動車の所有者等が当該放置自動車を引き取ろうとするときは、当該所有者等に対し、移動及び保管に要した費用を請求することができる。
(国等への要請等)
第20条 市長は、国、県その他の公共団体が管理している場所における放置自動車の防止及び適正な処理について、必要な措置を講ずるよう要請することができる。
(関係法令の活用)
第21条 市長は、放置自動車の適正な処理を行うため、道路にあっては道路法(昭和27年法律第180号)、都市公園にあっては都市公園法(昭和31年法律第79号)等の関係法令の積極的な活用を図るものとする。
(罰則)
第23条 第12条の規定による命令に違反した者は、20万円以下の罰金に処する。
(過料)
第25条 公共の場所に自動車を放置し、又は放置させた者は、5万円以下の過料に処する。
附則
この条例は、平成18年4月1日から施行する。